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相続空き家の特例措置はどんな条件が必要?適用時の注意点も紹介

税金全般

渡邊 篤

筆者 渡邊 篤

不動産キャリア8年

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相続により取得した空き家の売却を検討している方、税金がどれくらいかかるのか、どのような優遇措置があるのか、不安に感じていませんか。実は、「相続空き家の特例措置」を活用することで、大きな税負担を軽減できる場合があります。しかし、特例が適用されるには細かな条件があるため、理解しておくことが重要です。この記事では、特例措置の概要から適用条件、譲渡所得の計算方法、申告の注意点まで、わかりやすく解説します。安心して手続きを進めるための知識を、ぜひ最後までご覧ください。

相続空き家の特例措置とは何か

相続によって取得した空き家を売却するとき、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例制度があります。これは所得税および個人住民税の負担を大幅に軽減できる制度です。さらに、相続人が3人以上の場合は、1人あたり最大2,000万円が控除対象となります。ただし、これは2024年以降の改正により適用されています。

対象相続した空き家とその敷地
控除額最大3,000万円、相続人3人以上なら一人あたり2,000万円
対象税所得税および個人住民税

この制度は、相続開始から譲渡(売却)があった年の属する年の12月31日まで、かつ制度自体の最終期限である令和9年(2027年)12月31日までに売却を完了する必要があります。

特例が適用されるための主な条件

相続空き家の特例を受けるには、以下のような主な要件をすべて満たす必要があります。

条件内容ポイント
被相続人が直前まで居住していたこと亡くなる直前まで被相続人が一人で住んでいた家屋であること。ただし、老人ホーム等に入所していた場合でも一定の条件下で適用可能です。居住の実態が重視されます
建築時期が旧耐震基準建物が昭和56年(1981年)5月31日以前に建築されたものであること。耐震性への配慮です
耐震適合または取り壊し猶予建物をそのまま譲渡する場合、耐震基準に適合していることが求められますが、令和6年(2024年)以降の改正により、譲渡の翌年2月15日までに取り壊すことで適用が可能になりました。売主の負担が軽減されています

まず、被相続人が亡くなる直前までその家屋に住んでいたことが適用の大前提です。ただし、老人ホーム等に入所していたケースでも、被相続人が居住していた実態が認められれば特例の適用が認められる場合があります。

次に、建物の建築時期が昭和56年5月31日以前であることが重要です。これは建築基準法で耐震基準が改正された境界日であり、旧耐震基準の建物であることが特例の対象となります。

さらに、従来は売主である相続人が耐震改修を行う必要がありましたが、令和6年(2024年)1月1日以降の改正により、売却後に買主が耐震改修や取り壊しを行うことも認められるようになり、譲渡の翌年2月15日までに取り壊せば特例の適用が可能になっています。

譲渡所得の計算方法と控除の影響

譲渡所得は、「譲渡価格-取得費-譲渡費用」で求められます。取得費が不明な場合には、売却価格の5%を概算で取得費として算定する「5%ルール」が使えます。たとえば、売却額が1,000万円で取得費や譲渡費用が不明な場合には、取得費として50万円を用いて譲渡所得を算出します。これは信頼できる税制解説に基づく計算方法です。

項目内容説明
譲渡所得の計算譲渡価格-取得費-譲渡費用譲渡所得の基本的な計算式です。
概算法(5%ルール)取得費=譲渡価格×5%取得費が不明な場合に用いられる簡易的な見積り方法です。
税率区分長期譲渡:約20.315%、短期譲渡:約39.63%所有期間によって税率が変わります。相続では長期譲渡が多く該当します。

たとえば、譲渡価格が7,000万円、取得費2,000万円、譲渡費用1,000万円、所有期間が5年を超える場合、特例を使わなければ譲渡所得は「7,000万円-(2,000万円+1,000万円)=4,000万円」となります。税率約20.315%を掛けると、税額は約812万6,000円です。

ここで「空き家特例」を適用すると、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。その結果、譲渡所得は「1,000万円」となり、税額は約20%の税率を当てて「約203万1,500円」となります。この例では、特例適用により約600万円の節税になります。

また、相続人が3人以上いる場合、令和6年以降の改正により、一人あたりの控除額は3,000万円から2,000万円に引き下げられています。複数人共有で譲渡する際は、この改正に注意が必要です。ただし、共有による節税効果は依然として有効です。

適用にあたっての注意点と申告期限

以下に、相続空き家特例を活用するにあたって気をつけたいポイントをまとめた注意点を表形式で紹介いたします。

注意点 内容のポイント
確定申告の義務 控除によって譲渡所得税がゼロ円になっても、売却した年の翌年2月16日から3月15日までに忘れずに申告する必要があります。申告しなければ特例は受けられません。
必要書類の準備 登記簿謄本、売買契約書の写し、市区町村の発行する「被相続人居住用家屋等確認書」、耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書の写し、譲渡所得の内訳書などが必要です。
他の特例との併用制限 取得費加算の特例など、一部の制度は併用できません。マイホームの3000万円控除や小規模宅地の特例とは条件によって併用可能ですが、同一年度に両方を使う場合は控除額に上限があるため注意が必要です。

以下に、それぞれの注意点について理解しやすいように補足いたします。

まず、たとえ税額が発生しない場合であっても、確定申告の提出自体は必須です。申告期間は売却した年の翌年の2月16日から3月15日までです。申告しなければ、特例の適用が受けられず、節税が無効になってしまいますのでご注意ください。これは朝日新聞でも明記されており、税務署での申告が必要です。

次に、提出する必要のある書類についてです。登記簿謄本や売買契約書の写し、「被相続人居住用家屋等確認書」、耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書の写し、さらには譲渡所得の内訳書など、多数の書類が求められます。特に「被相続人居住用家屋等確認書」は、市区町村で発行され、相続開始直前に被相続人がその家屋に一人で住んでいた証明となります。

最後に、他の特例との併用についてご留意ください。取得費加算の特例は併用できませんが、マイホームの3000万円控除や小規模宅地等の特例とは併用可能です。ただし、同一年内にマイホーム控除と空き家特例を利用する場合、控除額の合計は3000万円が上限となるなど、実質的な適用に制約がありますので、事前の確認が肝要です。

まとめ

本記事では、相続によって取得した空き家を売却する際の特例措置について、その概要や適用条件、計算方法、注意点などをわかりやすく解説しました。最大3,000万円の控除が受けられるこの制度は、相続した家屋の処分を検討する方にとって大きなメリットがあります。しかし、期限や書類準備、正しい申告が必要となりますので、少しでも不安がある場合は早めに専門家へ相談することで、想定外のトラブルや余計な税負担を未然に防ぐことにつながります。少しでも参考になれば幸いです。

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